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この間お客さんと話していて、
出てきた話が見積もりの難しさ。

こっちは、いっぱい貰えるなら貰いたいけど、
相手は、安いなら安いでそれに越したことはない。

やりすぎると相手はよそにいっちゃうから、
だったら、少しぐらい安くしてでも売れたほうがまし。

というのが、社長の言い分で、
まあ、なんとなくもっともらしい理屈ですよね。

だったら、
それでぱぱっ!と早く見積書作ってしまえばよいのに…
と思わないでもないですが、

そんな思いとは裏腹に、現実は、

「でもなー、やっぱりここをこうして、○○%割引とかにして、
そしたら、総額では○○円になって、さっきより○○円増えるし…」

って、気付いたら1日中経ってしまっていた、なんてこと、
あなたも心当たりないですか?

同業他社との脳内価格比較やってないですか?

僕は結構心当たりありましたね(笑)

でもここで考えた見積もりって、
「仕事にかかる時間×自分が欲しい時給」
こんな感じで考えていると思うんですよね。

学生の頃のアルバイトは大抵時給だから、
こういうふうに考えるのは自然な事だと思うんですけど、

でもこれからは、

サラリーマンとは違うあなたは、

・やった仕事の時間で価格を決める
のではなく

・その仕事がお客さんにとってどれくらいの価値があるのか?で価格を決めていく
ことを、僕は強く勧めます。

どういうことかというと、

例えば、
あなたがお客さんに何か商品を提供する時のことを
考えてみるとわかりやすいかもしれません。

商品の提供に同じ時間がかかったとして、
あるお客さんには数万円の利益(価値)にしかならなかったとしても、
別のお客さんには数百万円の利益(価値)になることがあります。

そんなに差が出るのに、
本当に同じ価格設定でいいのでしょうか?

あるお客さんから得た価値から見ると、かなり安い仕事になってしまったけど、
もう一人はその逆で、こっちがかなりペイしたから、トータルではOK!

って、本当にそれでいいですか?
それは大手の論理じゃないですか?

また例えば、
土地の価値は「○○万円/坪」って形で提案されますが、

スーモで調べていると、
同じエリアの土地でも、坪単価にものすごい差がある場合があることがあって、

それは何故か?って考えてみると、
その土地の使用目的や、そこから生まれる利益などによって、
土地の価値が変わってくるからじゃないですかね。

もしこれらの例えがすっと腑に落ちたのなら、
つまりはそういうことであって、
あなたも言われなくても既にわかっていたということです。
よね?

時給制という考え方は一見論理的ですが、
それはただ目の前のお客さんに納得してもらいやすいというだけで、
それだと本当の意味ではお客さんに不誠実。

なので、これからは、
「自分が提供するものは、このお客さんにどれ位の利益になるのか?」
と考えて見積もりしていくことをお勧めします。

価格って、
本来ゴムボールのように柔軟で弾力性があって、
自由なものであっていいもの。

なのですが、
そんな自由な提案をするためには、
なにより「強い気持ち」が必要で、
それがないと、

「そんな価格じゃ、誰も買ってくれない」
「そんな価格つけたら、同業から笑われる」

って、余計な事考えて、
自由からは程遠いものになってしまいます。

まあ、これって要は自分がびびっているだけなのに、
周りのせいにしているだけですよね。

そんなネガティブな感情を跳ねのけるには、
仲間や同業の中で、一人反抗的な態度をとり続けるんだ
という感覚ぐらいがちょうどいいと思います。

勇気がいるし、大変かもしれませんが、
そうあることで最高のクライアントを引き付けたりするものです。

なので、
ぜひ自身の価格設定の思考プロセスを変えることに、
チャレンジしてみてもらえたらな、
と思います。

プロフェッショナルになりましょう!

利木貴志

PS.
4年ぐらい付き合いのあるH社長との定例面談にて…

全国展開している本州の建設会社さんの一次下請けに初めて入札できるチャンスがあったらしく(発注者は超デカい)、社長、

「まずはつながりを作ることが大事だろう」と、
最初はちょっとだけ高い見積もりを出そうとしたのですが、

「いやいやちょっと待て」と。

「こんなチャンスにびびってどうすんだ」と。

再度マインドセットをし直し、
北海道基準を大きく上回る見積もりを、

「まあ、どうでもいいわ!」で出したら、

「ずいぶん高いね」と一言。

(「ドキ!(-_-;)」)

「こんな高いの出してくるところないよ」とさらに一言。

(「ドキ!(-_-;)」)

社長ひるみそうなところをこらえて、つらっと、

「そうですか?」と。

で、それで決まったらしいのです。

そう、価格が高いか安いかなんて、
自分が決めるものではないんですよね。